快体健歩RC net topic vol.2 (2020.4.12) 今こそいかに走るか。・・・スリップストリームの話

快体健歩RC net topic vol.2 (2020.4.12)

快体健歩ランニングクラブ代表 佐々木誠

今こそいかに走るか。・・・スリップストリームの話

外出自粛の大前提ではありますが、某首相の会見やあちこちでジョギング、ランニングはOKとの見解が流れました。
安心して走る人も少なくないと思われますが、注意するべきこともあります。会員の皆さんは言わずとも心得ていることと思いますが、改めて確認しましょう。
「どんなランニングにも長所もあれば短所もある」
ここでは、感染リスクが短所です。誰がOKと言ってもリスクを背負って走ることになります。

まずは、モノへの接触による感染リスク。
外出する際に触れるドアノブやエレベーターのボタン、ちょっと長い時間のランではトイレやコンビニに寄ったりもします。ペーパーホルダー、買い物かごや自販機まで、触るものを上げればきりがありません。
先週水曜日、私は神宮外苑に走り出し、長時間でなければ何にも触れずに走れるはずでした。が、走り終えて一安心。いつもの児童遊園でストレッチをするためにウェストポーチを外して括りつけようとして、鉄棒に触ってしまいました!フィニッシュ目前で追い越されてメダルを逸した敗北者のようにガッカリ。

より問題なのが人との接近による分泌物の感染リスク。
人のいないところを走るには問題ないのですが、街や公園でも歩道や狭い場所では近距離で人とすれ違います。交差点の信号待ちはどうでしょう。現状ではソーシャルディスタンスが保たれているとは思えません。
そしてランナーは、顔などからの汗と平常時より大きな呼気を排出しています(=飛沫)。速いほど激しくなりますが遅くとも相当です。

(ニュースサイトGIGAZINE4月10日配信より)
 新型コロナウィルスの感染に関して、ベルギーとオランダの共同 研究により、「移動する人の付近に発生するスリップストリーム でウイルスが広く拡散される可能性」が示されました。ランニン グ中の呼吸やせきなどにより発生しただ液の飛沫の動きをシミュ レーションし、「おだやかな天候のもとで、2人のランナーが時 速14kmの速度でランニングをした」際の影響を調べたものです。 (中略)
 人の後ろを歩く場合は、少なくとも4~5mは距離をあける必要が あります。これがランニングや遅めのサイクリングなら10m、速 めのサイクリングなら20mです。また、誰かとすれ違う場合はか なり前から列をずらすように動いて、人の前を歩かないようにす ることをお勧めします。(後略)
 

https://gigazine.net/news/20200410-coronavirus-walk-run-bike-slipstream/

これを受けて、「名古屋ランニングジャーナルでは集団で走らない」というコメントを発していました。某氏の軽はずみなジョギングOK会見を受けて川内優輝選手は、世界中のランナーと情報を共有している中で、2メートルの間隔を空けて走るべきとの見解を出しています。(デイリー2020.4.7)

取り上げた研究は飛沫に関するもので新型コロナウィルスのエビデンスではありませんが、感染リスクと認識するには十分な内容だと思います。

さらに考えたいことがあります。仮にスリップストリームによる感染リスクは無いとしても、ランナーが近距離ですれ違うことに感染の恐怖を感じる方は少なくないと思います。人の価値感はさまざまですから、不要不急による感染が自分に走り迫ってくることは、恐怖にとどまらず怒りをも生み出しかねません。

どうしたらよいのでしょうか?
ますは、マラニックなどで行っている基本マナーを参考にしましょう。歩行者がいたら、なるべく離れる、減速する、歩く、止まる。実際の効果の有無は別としても、マスクの着用は少しは恐怖感の軽減になるかもしれません。

「走って良いか否か」よりも、「いかに走るか(コースや時間も含め)」を考えましょう。
自己責任、自己防衛、そして他者配慮。

せっかく「スリップストリーム」の話になったので、ちょっと解説します。
スリップストリームとは、「移動する物体の後ろに発生する気流」を指しますが、スポーツでは「物体の後ろを走行すると空気抵抗が少なくなる現象」を示すこともあります。モータースポーツ、自転車、スケートなどではよく登場すると思います。
ランニングでは、前を走る人や集団に風よけになってもらう位置取りで体力を消耗しないテクニックに応用されます。