快体健歩RC net topic vol.4 (2020.4.22) 佐々木誠 トレーニングメニュー、名付けて「ペースチェックラン」

快体健歩RC net topic vol.4 (2020.4.22)

快体健歩ランニングクラブ代表 佐々木誠

トレーニングメニュー、名付けて「ペースチェックラン」

前回Vol.3で「1kmあたりの速さを100m単位に換算する簡単な方法」を教えしました。
今回は、具体的な活かし方です。
「活かす」という表現ほど大げさなものではなくシンプルなことです。
100m、200m、500m、1kmで速さをチェックして走るだけです。
チェックして調整=管理することで、トレーニングの精度やパフォーマンスを向上させます。
目的に応じた最適な速さがあるはずです。最適な速さから逸脱するほどに効果が薄れたり無かったり、さらに場合によっては故障したり、楽しくなかったりします。

<名付けて「ペースチェックラン」>
文字通り100m、200m、500m、1kmでチェックしながら走ることにほかなりません。
まずはコースづくり。50mのコースが1本あれば可能ですが、往復や周回の頻度が多くて回数がわからなくなったり、往復では折り返しでの速度ダウンが少ない方が望ましいので、できれば500mの周回コースや250m以上の直線コースなどが行いやすいと思います。
次にポイント設定です。スタートから100m、200m、500m、1kmのポイントを作ります。
神宮外苑のように正確な表示があればそのまま利用しますが、無くても大丈夫です。GPSで何度か歩いて計測したり、「距離測」など地図系のwebサイトやアプリを参考にしたり、併用したりして作ればいいのです。
自分で創るコースは愛着が湧くものです。

せっかくですからコースを作りながら自分の感覚で100m歩いてピタリと当てられるか遊んでみてはいかがでしょうか?自分の歩くストライドは把握していますか?長年走っていますからそのくらいできて当然・・・とはゆかないですよね。何故でしょう?・・・100m意識して走ったり歩いたりしていないからです。

どうしても目印がわかりにくい場合は、ガムテープを目立たないように張ったり、石を置いたり、工夫してみてください。
ポインントの設定ができたら、速度を決めて走るだけです。

(基本メニュー)
まずは、自身のフルマラソンのレースペースあたりの速さを決めて走りましょう。
ここで登場するのが、vol.3で紹介した換算法です。

100mで誤差3秒以内で走れたら、次は200m走り誤差5秒以内なら、次は500m走り誤差5秒以内なら、次に1km走り誤差7秒以内をめざします。

3秒とか5秒とか、細かすぎるでしょうか?
1kmでの10秒の差はフルマラソン何分何秒に相当するか即答できますか?
ざっと420秒・・・7分ですよ、7分。3分、5分縮められるかどうかのランナーにしてみれば、10秒の誤差は練習精度に問題ありで残念な効果になってしまいます。レースのペースミスでは命とりです。

はっきりと線引きはできませんが、この練習では、サブフォーより速い人は上記の3~5秒以内にこだわるべきです。それより遅い人でもフルマラソン完走を目指すなら次の指標を参考にしてください。

100mで誤差7秒以内で走れたら、次は200m走り誤差10秒以内なら、次は500m走り誤差10秒以内なら、次に1km走り誤差15秒以内をめざします。

二つの指標だけを紹介しましたが、間をとって自分で決めていただいて結構です。というより、自分で決めるのが一番です。

100m、200m、500m、1km の4つの距離をそれぞれ1本でクリアすれば10分程度で終わりますが、何本かを要して数十分かかるかもしれません。より慎重に2回連続でクリアしたら次へ、という工夫があっても構いません。

特に1本目。走る時間、体調、風速による筋肉や呼吸の違いを感じてみましょう。そこもまたランニングの遊びの一つです。

(応用)
幾つかの異なったペースで行ってみましょう。
例1:LSD相当ペース、レース相当ペース、スピード練習相当ペースの3つ
例2:適当に間をとって3つ(6分00秒/1km、7分00秒/1km、5分00秒/1kmなど)

この練習メニュー「ペースチェックラン」は、メイン練習として単独でこれだけ行う日があっても良いですが、メインメニューの前にやるのが合理的です。
ペース走やスピード練習の日のウォーミングアップの一環でもあり、メインメニューの精度を上げる予習・準備にもなります。
そして、どんな練習メニューでも「やるなら定期的に。たまにやるくらいならやらなくても一緒」が原則です。(遊びならありです)

さらに、このメニューのコースを、いつものスピード練習やショートペース走、ロングペース走のスタート基点に合わせて作っておけば、それぞれの練習でのペースチェックに利用できることは言うまでもありません。

GPS機能によるオートラップでは同じコースなのに毎回違った距離になってしまいかねません。決めたポイントは毎回同じでなければなりません。また、時計の速度表示機能をあてにしていては、目と体で感じる距離感、速度感が身につきません。
この練習にはデジタル表示の時計や100円のタイマーでもあればよいのです。

初心者講習とレース対策講習を受講された方は、時計を見ないで自身で決めた想定速度での1kmテストランをしたことを覚えているでしょうか?
行った方の約85%の方は1kmあたり15秒以上速いのです。
そして毎回言っているのが、「大事なことは、見ないでピタリと走れるスキルよりも正確さを求める気持ち、姿勢、実行である」ということです。
1kmを大事にしない人は5km、10km、・・・を正確に走れません。
イーブンペースで走れない人がペース戦略を立ててもしょうがないです。

とかくマラソンは長いので、まずは完走とか、まずはハーフ、まずは行けるところまで、とりあえずは走ることなど、・・・取り組みが大雑把になりやすいのです。
その42.195kmを短い距離の繋ぎ合わせ、積み重ねと考えてみてください。トレーニングの精度、集中力の重要性がわかると思います。

そしてまた何度も完走しているうちに、次の大会もあると思ううちに、慎重さと集中力がどんどん薄れてしまってはいないでしょうか?
もし仮に、次に自己ベストを出したいと強く願うなら、年齢も考えて4年に一度のラストチャンスくらいの位置付けをしてみると、錆びかけた慎重さと集中力を取り戻せるかもしれません。

多くの市民ランナーにあてはまる、適切なペースでのマラソン、マラニック、ランニングを楽しむには、走力、速さを管理することが求められます。
自己ベストを目指さなくても、レースに関心が無くても、誰とも比較せず「速さ」で一人遊びをするランニングもあります。
100m歩いてみましょう。計ってみましょう。走ってみましょう。そして200m、500m、1kmです。