快体健歩RC net topic vol.5 (2020.4.26) マスクランメニュー・・・「走りモドキ・歩きモドキ」

快体健歩RC net topic vol.5 (2020.4.26)

快体健歩ランニングクラブ代表 佐々木誠

マスクランメニュー・・・「走りモドキ・歩きモドキ」

4月15日にスリップストリームとランニングにおける感染リスクについて書きました。あれから10日の間、公園や商店などへの人の集まりが問題視されるに伴って、マスコミやインターネットでも「ジョギングは一人で」とか「10m間隔をあけて」などの見解を目にするようになりました。そのうちに、「マスクをせずに走るのはダメ」にとどまらず、「人のいるところで走るのはダメ」な風潮になるかもしれませんね。

そのマスクラン(勝手に語彙をつくりました)の状況を、26日に神宮外苑と迎賓館・東宮御所の周回コース付近を走って調べてきました。すれ違ったり追い越したりするランナーにおけるマスクあるいはバフの装着率はおよそ60%。30%はしておらず、残る10%は顎にひっかけているだけという結果でした。
掲示板への皆さんの投稿でも書かれているように、速い速度の人ほど着用していないかというと、確かにそんな傾向にはありますが、遅い人でも着用していませんし、走っていない人でも外ではノンマスクの人が一定割合でいます。
感染リスクに対する意識の違いと言ってしまえばそれまでですが、皆さんはどうお考えでしょうか?
仮に今、クラブ主催の走るイベントを行うとしたら、団体走ではない個人走、リモートランだとしてもマスクやバフの着用を義務付けたいと思っています。

普段はマスク着用でも走るときに着用しないという人がいるとすれば、吸入がマスクで幾分か遮られて苦しい感じがするのが理由と思われます。速く走らなくても、熱がこもって暑かったり、皮膚に触れて煩わしかったりするのでマスクランはできればしたくないのが普通です。
会員の皆さんは、私が冬になると普通にマスクランをしているのを何度も見かけていると思いますが、乾燥から喉を守る意味も多少はありますが、ただ、鼻や顔が寒いからにほかなりません。
自分でやってみて思うのは、そのうち「馴れる」ということです。

ちょっと例えが適当でないかもしれませんが、昭和の頃、原付バイクはヘルメット無しで乗れましたが、今の時代にヘルメットが嫌だからバイクに乗るのをあきらめるという人はあまりいないと思います。ノンマスクランでも許される世界知っており、ノンマスクランは時限的なものでいつかは解放されるとの思いがあるからマスクランを敬遠したくもなりますが、「あたりまえ」と思い込むか、ランニングにおける他者配慮のルールと決めてしまえばなんとかできるはずです。

どうしてもマスクが邪魔になるという人、邪魔になるくらい追い込んだ練習をしたい人は、だれもいない場所や時間、相当に広い路で行いましょう。
適当な長いコースが無い場合でも追い込んだトレーニングをしたいのであれば、環境でできることを工夫しましょう。屋内や河川敷土手の一角でも(数年前に北区の荒川土手で行った練習会のような)階段バリエーション往復や、筋トレとセットにしたサーキットトレーニングなどで効果を得ることができます。
そうは言うものの、首都圏ではほぼいつでもどこでも人がいますので、マスクランが前提です。

人のいる環境でしか走れない場合は、マスクランでもなるべく不快にならない低負荷、低速度のランニング、追い込まないトレーニングが適します。

ここで一つ提案したいのが基本フォームの講習で時々紹介する「走りモドキ・歩きモドキ」です。
ランニングフォームの確立をテーマとした練習メニューであり、長い時間をかければLSDとしても行えます。走っているように見えなくても普通に歩くよりは速い速度です。
フォームはランニング(股関節を境に上と下で捻じれる)ですが、両足が地面から離れません。高い骨盤をキープして、ほんの少しの前重心(真下でなければOK)と確実な左右の上半身の前後移動(揺れ)に、少しの床反力を意識します。
余談ですが、これには安定性を重視した硬めの厚いシューズよりも、いわゆる今どきの厚底シューズや、軟らかい、あるいは薄いシューズの方が体得しやすいと思われます。

他人から見てジョギングをしていると思われないくらいのランニングです。個人差がありますが、私は8分00秒くらいでできますから、ひょっとして跳ばずに(=走らずに)、また競歩のフォームでもなく6時間以内にマラソンを完走できるかもしれません。
この「走りモドキ・歩きモドキ」には次の効果が期待できます。
・基本フォームづくり
・LSDなど長時間走の実現
・呼気の抑制
・他者から走っていると認識されにくいことによる心理的脅威の軽減

ではこの「走りモドキ・歩きモドキ」がLSDの最適速度か、一番遠くまで走れるフォームかというとそうでもありません。
ウマなどの動物の研究から説かれた「移動コストの最もかからない最適速度」はヒトのランニングにもあるらしいという研究がなされています。それは心地よいと感じるペースであり、遅すぎても違ってくるということです。(この話は、絶賛発売中の「『ランニングの世界』25号LSD再考で伊藤静夫先生が「ランニングとペース感覚の話(その2)」で述べられています。・・・みんな買ってね!」

次回は、環境を工夫してマスクランを楽しむメニューやマスクランの効果について追記したいと思います。